金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(記事レベル★★☆☆☆;簡単)
皆様はご存知でしょうか?
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』
という本の存在を。
(ブックオフで334円でした。旧版ですが)
おそらく、株式・不動産・ビジネス・マルチビジネスなどに興味がある方は聞いたことがあるのではないでしょうか?
特にマルチビジネスをやってらっしゃる方にはとても知名度のある本だと思います。
僕自身はマルチビジネスは全く賛成していないですが、マルチビジネスが一体どういうものなのかを知るため、怪しげな不動産セミナーやアムウェイの集まりなどに参加していたことがあります。
実際にそういう場ではいかに自分たちのビジネスがすばらしいかを解説するために、この本の中身をそのままパクった謳い文句がかなりの確立で出てきました(正直、自分が自信をもってやってるビジネスなんだから、少しぐらいは独自性がある勧誘の仕方をしたほうがいいのでは…)
話が少しそれました
そんな事はさておき、この本の内容について簡単にレビューしていきます。
みなさんご存知の通り、キャッシュフロークワドラントは(最初の)金持ち父さんの続きとなっています。
前作の内容を要約します。
・友人のマイク(実在するかどうかは不明。金持ち父さんも同様)と一緒に金持ちになる方法を学ぶストーリー。
・必ずしも高い教育を受けた人間がお金に関して自由な人生を歩めるわけではない。
・自由な人生を歩むためには、不労所得を作らなければならない。
といったところです。
今作も上記と同じような内容となっております。
一つだけ前作と大きく違うところは『キャッシュフロークワドラント』という図が出てくることです。
どこかで聞いた方も多いと思いますが、収入を得る方法は4種類に分類することができ、それぞれ従業員(E)、自営業者(S)(医者や事務所を持っている弁護士なども含む)、ビジネスオーナー(B)、投資家(I)に分けられています。
そして、不労所得のゾーンなので、この図の右側(BとI)の人になりましょう!というのがこの本の主な主張です(もうこれで半分ぐらい内容終わってますが…)
あとのページのほとんどはこの主張を強めるための根拠がひたすらつらつらと書かれてあります。
例を挙げると、 ある村の水不足(パイプラインを通して引くか、手作業で運ぶか)、これからの年金問題、富豪たち(バフェット、ソロス、トランプ)がいかにしてお金持ちになったか、などです。
これらのストーリーを展開した上で、さらに説得力を高めるために、自分の実の父親(貧乏父さん;高い教育を受けている)を含むサラリーマンや自営業者たちのことをコケにしていきます。
(文中には尊敬できる父親だった…などと書かれていますが、馬鹿にしているけど角が立ちすぎるので無理やり賞賛しているようにしかみえません笑)
クワドラントの左側にいる父親は惨めな生活を送っている…というのが著者の言いたいことですね。たとえ医者であっても、クワドラントの左側にいる限り、労働や支払いに追われ続ける人生なのです!!
ただ、ここで一つ
自分の両親や友達の親でサラリーマンや自営業者の人を思い浮かべてみてください…
そんなに惨めな生活を送っていますか…?
結構幸せそうに生きていませんか…?
この本やこの本に似たような勧誘を受け、それに感化されてビジネスセミナーなどに行かれようとしている方(もしくはもう行っている方)は今やっている仕事を辞めてまで、投資やビジネスをする必要があるのかどうかを今一度考えなおしてみてはいかがでしょうか。
(補足)
この著者はよく『財務諸表を読めることが大事だ』、というような趣旨のことを述べています。
しかしながら、資産の定義が会計の定義からかなりずれています(資産はお金を生み出すもの、というのが著者の主張するところです)。
さすがに、財務諸表を読めることが大事だと言っているにも関わらず『資産』に財務諸表中の使われ方と違う意味をもたせるのはどうなのでしょうか…?
個人的には、『資産』の考え方自体は納得できるので、違う言葉をあてた方がよかったのではないのかと思いました(例えば資産→財産とでも)。